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2013年7月28日日曜日

液晶パネル交換・・・失敗?

知人から液晶パネルの割れた富士通 FMV NB55E/T の修理の依頼を受けて預かった。
10年も前に発売された機種なので、交換用のパネルを新品で探すぐらいなら買い換えた方が安くつく代物だが、しばらくは買い替えの目処がつかないことと、子供の記録などの大切なデータの移行作業に支障があるので、中古部品を探すことにしたのだが・・・。

何分古い機種のパーツなので、ほとんど海外の業者しか検索に上がってこない。
英語での取引には不安があるし、ましてや中国語なんてさっぱりわからない。

オークションではちらほらありそうなので、ヤフオクで探すことにした。個人的に、楽天は信用してないし、それ以外の小規模のオークションサイトでは探すだけ時間の無駄だと判断した。

まず、富士通のサイトで NB55E/T と、同シリーズの仕様を比較して代用できそうなパーツを絞り込んでいく。
第1候補は当然 NB55E/T と、同時期に発売され液晶パネルの仕様も全く同じ NB70E/T、NB70E だが、やはり古い機種なのでそれなりの金額になってしまう。
続いて第2候補は同時期に発売され液晶パネルの仕様が少し下がる NB55E、NB53E、NB50E だが、全く見当たらない。
さらに範囲を広げ、第2候補の後継機種まで捜すとそれなりに手の出しやすい金額の部品が見つかった。 LCDケーブルのコネクタ、カバー、ヒンジ、ヒンジ金具などの形状を掲載された写真と入念に見比べ入札に踏み切った。

商品が届きさっそく交換してみた。
この機種は、液晶パネル単体ではなくカバーに入ったままのアセンブリ交換だと非常に作業が簡単である。

作業手順は、
1、電源パネルを外す。
2、キーボードをずらす。
3、プラスチック部品(名称不明)を外す。
4、LCDコネクタと、ヒンジのビスを外す。
これだけでディスプレイが丸ごと外せる。
もう少し詳しく書いてみよう。

1、電源パネルを外す。
キーボードの奥側に電源ボタンのついたパネルが横たわっているのだが、これは軽く押しこみながら左にスライドさせると簡単に外せる。

2、キーボードをずらす。
電源パネルを外すとキーボードを固定しているビスが2本見つかる(他の3本は後述)。この2本のビスを外し、キーボードを浮かせながら奥へずらすとキーボードが外せ、キーボードケールブのコネクタが見える。以降の作業中にケーブルの断線に気をつけることができるならば、ここでケーブルを外す必要はない。むしろキーボードケーブルは抜き差しするだけでキーボード故障を引き起こすことがあるので要注意。

3、プラスチック部品を外す。
残りの3つのビスを外すと、ディスプレイ開閉SWに中継する部品のついたプラスチック部品が外せるのだが、その前にディスプレイを180度開いておかないと外せない。これを外すと、ヒンジを固定しているビスが見える。

4、LCDコネクタと、ヒンジのビスを外す。
先に180度開いたディスプレイの下に空き箱などの台になるものを挟んでおいたほうが作業しやすい。

以上でディスプレイASSYが外せる。後は逆の手順で交換部品を取り付けるだけである。


取り付けも終わって、さぁ電源投入!
・・・ん?何も表示されない?
冷却ファンは回っている。
HDDのアクセスランプも点灯している。
しばらくして Windows の起動音も鳴った。
ってことはディスプレイ部分だけ動作していない?

一旦外部ディスプレイを繋ぎ Windows を終了して、切り分け作業に入る。

まず、ディスプレイASSYごと元に戻し確認。
正常に(と言うか、パネルは割れているのだが)表示される。

次にディスプレイASSYまで分解し、LCDケーブルを入れ替え。
割れたパネルは表示し、入手したパネルは表示しない。

続いてインバータも入れ替え。
同じく割れたパネルは表示し、入手したパネルは表示しない。

これで原因はパネルにあることが確定。
ここで、ふと思いついたことを試すことにする。

まず、切り分けのために入れ替えた LCDケーブルとインバータを元に戻す。

パネルの割れたディスプレイASSY を繋ぎ、電源ON。
すかさず F2 キーを押して BIOS 画面を表示。
ここで LCDケーブルを外し、入手したディスプレイに繋ぎかえる。

おぉ!映った!!

一旦電源を落とし、逆のことを試してみる。
入手したディスプレイを繋いだまま電源を入れる。
が、相変わらず「バックライト チカッ」すらない。
そのまま F2 キー連打で BIOS 画面に入ったであろう頃を見計らって、割れたディスプレイに繋ぎかえる。
全く反応しない。BIOS に無視されているようである。
念のため外部ディスプレイを繋いで確認すると BIOS 画面に入っている。

この作業で分かったことは、今回入手したディスプレイは(おそらく)正常品であると言うことと、BIOS 段階でこのディスプレイを撥ねているということ。
BIOS のバージョンは別件の作業のために最新にしてある。とはいってもこの最新版の BIOS の更新日付は、今回入手したディスプレイを搭載している機種 NB55H/T の発売時期よりも前なので、BIOS がこのディスプレイを認識できていないということは十分考えうることである。

因みにそれぞれの液晶パネルの品番を記すると、

※割れた方
  CP171123-03
  NA19026-C602(NA19026-5610)

※今回入手した方
  CP191227-01
  NA19026-C632(NA19026-5620)

である。

同じシリーズの部品なので互換性があるだろうと安易に考えて取り寄せたのがいけなかったのだろうか?
まぁ、これも勉強と諦めるしかなさそうである。

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